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【民生委員・児童委員を知っていますか?】東日本大震災で見えた地域福祉の現実    -No16)テーマ1-1 

更新日:3 日前

<民生委員・児童委員とは?>

皆さんは、民生委員や民生児童委員をご存知でしょうか?厚生労働省は、民生委員・児童委員について次のように定義しています。

 

「厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、社会福祉の増進に努める人です。民生委員は『児童委員』を兼ねています。児童委員は、地域の子どもたちが元気に安心して暮らせるように、子どもたちを見守り、子育ての不安や妊娠中の心配ごとなどの相談・支援等を行います。民生委員に選任されると、特別職の地方公務員(無報酬)となります。」

 任期は1期3年で、地域福祉を支える重要な役割を担っています。

 

<民生委員受諾の経緯と初動の難しさ>

ある日、自宅のインターフォンが鳴り、近隣の方2名が「民生委員を受けてほしい」とお願いにみえました。当時、私は病床数150床未満の中小規模病院で看護部長を務めており、時間に余裕がある立場ではありませんでした。

 

2度目の依頼の際、「月の会合は一度だけ」「なり手がいなくて困っている」との言葉に、病院長の了解も得て、民生委員の活動をよく知らないまま引き受けることになりました。当初は、多忙な本業の合間を縫って、土日を中心に活動すれば大丈夫だろうと考えていました。

 

しかし、実際の活動は「月に一度の会合」だけではありませんでした。日々の見守りや連絡調整といった定常業務があり、想像していた以上に時間確保が必要だと気づいたのです。

 

<3.11東日本大震災で痛感した民生委員の役割>

民生委員活動を始めて数ヶ月経った頃、先輩民生委員から「片手間でやってはいけない」と苦言を呈されました。確かに、会議に出席するだけでは務まらないと実感し、多忙な常勤の仕事を続けることとの両立は難しいと判断。その年度末で民生委員を退任するのではなく、仕事を退職することを決意しました。

 

その決意を固めていた矢先、東日本大震災が発生したのです。

 

地震発生時、私は6階にある自室のデスクにいました。強い揺れと恐怖を感じ、すぐに全館の状況確認に走りました。幸い大きな被害はありませんでしたが、各病棟に患者の安全確保や余震への備えを指示。手術中や内視鏡中の患者を安全に搬送するため、男性職員を集めて階段での移動を確認するなど、病院の危機管理に奔走しました。

 

病院の安全を確認し終えた頃、私の頭には民生委員としての役割が浮かびました。夜勤スタッフの確保などを終え、急いで帰宅の途につきました。市内は停電で信号が消え、遠回りを余儀なくされました。

 

帰宅後、私はすぐに担当エリアの高齢独居世帯を一件ずつ回り、安否確認と生活物資の確認を行いました。幸い、大きな被害はありませんでしたが、ある高齢者の方は停電で懐中電灯の電池が切れており、ろうそくを使おうとしていました。火災の危険を感じた私は、開いている店を探して電池や懐中電灯を探しましたが、多くの店は閉まっており、開いている店も棚が空っぽでした。結局、自分の懐中電灯を渡しました。暗闇の中、手探りで自宅に戻ったとき、地域住民の安全を守ることの責任を改めて痛感しました。

 

地震直後の停電の中。高齢独居老人。ろうそくで明かりを灯している。民生委員の筆者が懐中電灯を持って訪問する。
地震直後の停電の中、独居高齢の方を訪問すると懐中電灯がなくろうそくで明かりをとっていた。余震を考え、持っていた懐中電灯を渡す。

<片手間ではできない仕事―9年間続ける意味―>

かつては、地域の有力者が民生委員を務めることが多かったと聞きます。しかし、ここ数十年でなり手は減り、私のような人間にも要請がくるようになりました。

 

「会議さえ出ればよい」という言葉は、なり手を見つけるための便宜的な説明だったのかもしれません。しかし、東日本大震災を経験し、民生委員は決して片手間でできる仕事ではないと明確に気づかされました。

 

この経験から、私は民生委員を3期9年間務めることを決意しました。1期で活動の全体像を理解し、2期で地域との関係構築と実践を積み、3期目で記録や連絡網を整備して後任に引き継ぐ。そうすることで、責任ある役割を果たすことができると考えたからです。

 

活動を通じて、私は住民が公的支援について知らないこと、また、認知症や精神疾患を抱える方々が問題を抱えながらも表面化しにくい現実を知りました。こうした住民の隠れた生活課題に気づき、福祉へとつなぐことが民生委員の重要な役割なのです。

 

この点については、次のブログで詳しくお話ししたいと思います。


 
 
 

2件のコメント

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匿名
2025年9月21日

民生委員のお仕事、なんとなく知っているように思っていましたが、尾高さんのお話を聞いて、こんなに大変なお仕事なのかと、頭が下りました。

民生委員のお仕事は、今の世の中では、一人暮らしの高齢者は、ますます増えますし、重要さが増しますが、無償という、今のシステムで良いのだろうかと考えてしまいます。

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匿名
2025年9月20日

私の従姉妹も民生委員を努めていましたが本当に大変なお仕事だと思いました。なり手が減っているのはよくわかります。今のままでは維持出来ない仕組みではないでしょうか。尾高さんのような奉仕の精神を持った人を本当に尊敬します。(lineでいただいたコメントをご了解いただいて載せさせていただいています。)

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