中絶に関して配偶者の同意と男女の責任のギャップ No26
- harmonia77
- 2 日前
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<イントロダクション:予告変更の理由と、今週の「中絶」テーマ>
先週のブログで予告しておりました『Choosing Wisely』を人生の選択に応用するテーマについては、順序を変更させていただきます。 先週末、久しぶりに都内でのイベントに参加し2泊で出かけた際、深く考えさせられる出来事がありました。その「思い」を、今週と来週の二週にわたりお伝えしたいと考え、テーマを急遽変更いたします。 今回お話をさせていただきたいことの一つは、中絶(人工妊娠中絶)に関する問題です。なぜこのテーマを取り上げるのか。それは、現代の若い世代の方々の考えとの相違に気づいたこと、そしてそれに伴い、私たち全員が考えるべき「妊娠・出産における男女の責任のあり方」について、皆さまのお考えもお聞きしたいと思ったからです。 これは、個人の価値観、倫理的な意思決定、そして関係者間の対話が不可欠なテーマであり、私が提供する伴走型の教育プログラムで扱う「コンフリクトマネジメント」や「ACP(人生会議)」の根本にも通じる問いです。この議論を通じて、対話の重要性をお伝えできれば幸いです。

<HSP同窓会での衝撃:「配偶者の同意」は時代錯誤か?>
この話題が出たのは、先日参加したHSP(東京大学医療政策人材養成講座)の第4期生同窓会でした。 同窓会には、ジャーナリスト、大学教員、官僚、医師、国会議員など13名が参加され、私は最年長者でした。その会の一つのテーブルで、40〜50代の女性参加者から、ある発言がありました。「今も、夫婦間での中絶に関して配偶者の同意を得るのは時代錯誤であり、女性の立場を考えていない」 70代の私からすると、中絶は当然配偶者の同意を得るべきと何ら疑問もなく思っていましたので、彼女たちの発言に非常に驚きました。
<妊娠・出産は「女性のみ」への影響:責任のアンバランス>
彼女たちの話に注視する中で、これまで私が深く考えてこなかった事実に気づきました。 これまでの私の考えでは、妊娠から出産に至るプロセスは、出産経験のない人には体得できない精神的成長をもたらすものだと思っていました。 しかし、彼女たちの話を聴く中で見えてきたのは、以下の事実です。
妊娠・出産は、身体的にも、生活面へも、全て女性のみに影響を及ぼす。
男性は、一切の影響を受けない(物理的・生活面)。
このアンバランスな妊娠継続について、男性の許可を必要とする制度が西欧諸国ではほとんどなくなっている。 この事実を私は知りませんでした。
<中絶の選択と男女の責任のギャップ:費用と身体的負担>
その一方で、疑問も強く残りました。 中絶を女性のみで決めた場合、費用面や中絶による身体への影響も女性のみが受けることになります。 ここで強く思うのは、「妊娠」というプロセスの中での男性の責任はどこにあるのか、ということです。 男女の遺伝子を持った子供でありながら、女性にしか負担がない。だから中絶の了解を男性に得る必要はない、という論理も理解できます。しかし、そうした場合、男性は益々子供への責任を軽くしていくのではないか?という懸念も私の中には強く残りました。
<胎児・子供への責任を同等にするために:法整備の議論>

胎児や子供に対し、男女が同等に責任を持つためには、一体どうあるべきでしょうか。中絶における配偶者の同意、望まれない妊娠、DVが背景にある妊娠、そしてNIPT(新型出生前診断)による中絶の選択など、妊娠の背景は様々です。
💡 NIPTと「男女の責任」:障害児の出産選択の重み
特に西欧社会では、NIPT検査で陽性の場合に中絶を選択することが多く、障害児の出生率が非常に低い国もあると聞きます。しかし、日本では陽性であっても出産を選択される方も多いそうです。私は、障害児は社会にとって重要な存在だと考えます。彼らは私たちに多様な幸せをもたらし、ユニバーサルデザインをはじめとする社会の発展に寄与しているからです。ここでは、先天性異常児に関する議論は深めませんが、出産選択の重みは感じざるを得ません。 さて、中絶における男女の責任の話に戻ります。責任を同等にするための一つの方法として、妊娠が判明した時点で男性の氏名も登録し、女性が中絶を決めた際、男性の了解は要らないが、費用とそれにまつわる責任(例:中絶費用や何らかの障害を持った時の費用生活面の一部負担など)は法的に付加される、という方向で整備されようとしている国もあるそうです。
<結び:皆さまの意見をお聞かせください>
日本は、今後この問題に対しどうなっていくべきでしょうか? どのような状態や法的整備が必要でしょうか? この二つの論点について、皆さんはどうお考えになりますか。ぜひコメントでご意見をお聞かせください。今回の記事のテーマは、中絶をめぐる配偶者の同意と男女の責任のギャップにあります。
※今回の議論は、個々の人生における「賢明な選択」、そして関係者間で異なる価値観をどう調整するかという、私たちの人生すべてに関わるテーマです。 当プログラムで提供しているコンフリクトマネジメントやACP講座は、まさにこのようなデリケートな状況で、感情的にならずに互いの立場を理解し、最良の意思決定へと導くためのスキルを学ぶものです。 もし、ご自身の職場や人間関係の中で、「価値観の衝突」や「意思決定の難しさ」に直面されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ私たちの8ヶ月間の伴走型教育プログラムをご検討ください。 【関連するプログラム例】
コンフリクトマネジメント: 対立を避けず、建設的な結果を導く対話技術。
ACP(人生会議)講座: 将来の意思決定に備え、パートナーや家族と価値観を共有する重要性。 次回のテーマは、今回の「意思決定と責任」の議論の延長線上にあるものです。HSP同窓会の翌日にお会いした「患者の権利オンブズマン東京」の皆様との会食を通して感じた、「患者の権利」と「医療における自己決定」のテーマについて深く考察する予定です。引き続き、私たちの対話にお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。





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