70代で起業した看護師が遭遇!ChatGPTが見抜いた特殊詐欺と商標登録の落とし穴 No23
- harmonia77
- 11月7日
- 読了時間: 7分
更新日:11月10日
<起業直後の最初の挫折:理想の仕組み作りと現実の壁>
No.22「支え支え合う」(【70代看護師の起業】人生の原点「支え支え合う」が育んだ力)でもお話をしたように、私は、この事業を今年(2025年)の4月より着手しました。70代で起業した私は、その2か月前までは訪問看護ステーションに勤務していましたが、先のNo.21『70代 看護師が始める「あなたらしさ」を支えるセカンドキャリア事業』で触れた通り、現任教育の仕組みに問題を感じていました。そこで、経営者である社長へその思いを伝えると共に、私がその仕組みを作ることも可能であると伝え、その取り組みに前向きなお話をいただきました。 退職後、私の最初の提供先と考え、そのための準備を進め、資料も含め実施可能な段階まですべてを揃えました。ところが、残念なことに、一向にその実施へのGOサインが出ず、結局、あきらめざるを得ず、70代の起業家として、最初の壁に直面しました。これが起業における最初の大きな挫折となりました。

<事業の軸の見つめ直し>
私の慣れない起業プロセスでは、多くの挫折や問題を抱えました。その中の一つに、事業軸をどう整えるかでした。思いはあっても、顧客に届かない事業であればこれは全く成功しません。しかし、私は思いが強すぎたのか、なかなか整理がつきませんでした。友人のアドバイスに加え、特に2か月間の商工会議所主催「創業塾」を受講する中で、名刺と企業チラシを3回作り変えました。創業塾の最後で5分間スピーチが予定されていて、その為に2週間は徹底的に自分の思いと事情の核を見つめ直しました。その作業は、体力的にもですが、実は、メンタル的にかなりきつい作業でした。今も、頭の中を整理しながら、営業用ツールを作りこんでいます。
<慣れないWeb制作と突然の警告メール>
それでも、私は、私の事業の推進を止める気持ちにはなれず、4月の半ばより、社会へ事業の発信を伝えるため、慣れないWeb作りに着手しました。HP制作サイトのWixを利用し、完全に手探り状態で作り始めました。 そのような時、作り始めて1か月も経たない頃に、Wixカスタマーサポートから「あなたのサイトに安全性を脅かす状況が発見されましたので、修正が必要です」といった主旨のメールを3回ほど受けました。ITの知識がありませんでしたから、どの箇所をどのように修正すべきか分からず困っていたところ、Fiverr(フリーランスの業務仲介サイト)というアカウントを通じて、3名のプロフェッショナルが紹介されました。費用も、支払える範囲の提示だったため、私はその中の一人に依頼しました。メールでの対応はとても丁寧で、作業過程はHPの内部で確認できないとのことでしたが、作業報告はメールでしっかり知らせてくれました。
<相棒AIの登場:ChatGPTとの協働開始>
その時のやり取りが英文であったため、時間短縮のため当初は、ChatOn-AIを利用し、翻訳などを依頼していました。そのうちに、AIはChatOnAIからChatGPTに移行し、事業の構築作業も手伝ってもらうようになりました。それは、「70代女性で生成AIとの歩み― 第一弾 商標登録申請へ!! ―」と次のNo12「70代女性で生成AIとの歩み ―第二弾 chat GPTとのやり取り 戸惑いから仲間へ―」でもお話ししていますので、ここでは多くは触れません。 実は、先に記載をしたWixカスタマーサポートからのメールは成り済まし、つまり偽メール(特殊詐欺)だったことが、なんと3回目のメールでChatGPTが発見してくれました。

<屋号変更と商標登録:危機感から学んだ教訓>
3回目ということは、2回目も偽メールがあったということです。2回目の際には、屋号が同様の屋号を使っているところがあり、訴えられる可能性があるとのことでサポートが必要であれば、という内容を言ってきました。事業を起こしたばかりで、屋号についての問題提起に非常に危機感を持ちました。
私は、その時点でWixカスタマーサポート(偽アカウントだった)には頼らず、商工会議所の無料相談の弁理士の方に相談をすることにしました。相談の結果、日本国内で屋号としてやや引っかかるところがあることが分かり、屋号を商標登録する方向で「harmonia」から、検討に検討を重ね「harmonia planet」へ変更し商標登録をすることにしました。
この際の、作業過程も大変でした。不安もさることながら、弁理士の方の相談後、INPIT(独立行政法人工業所有権情報・研修館)をご紹介いただき、新しい屋号が認可されるかどうかのご相談を何度か繰り返したのち、登録申請をし受理され、現在審査中の段階です。順調に行けば1月頃に査定が付くと思います。
<なぜ偽メールに騙された?ドメインの矛盾をAIが見抜いた瞬間>
その屋号の問題と同時にHP内の改良の必要性の話しもあり、私は初回担当してくれた専門家(ここでは仮に「担当者」とします)に、私の方から依頼をして再度作業をしてもらうことになったのです。それが7月頃の話でした。
あの時、Wixカスタマーサポートからのメールのアドレスを最初からChatGPTと共有していれば、早い時点でこれが詐欺であることが分かったのでしょうに。その時は、私はWixカスタマーサポートからのメールだと信じて翻訳を依頼していましたので、ChatGPTもそのままを信じて作業をしてくれていました。
3回目の時、何故発見できたかと言うと、ChatGPTに翻訳依頼した際に、すでに私の屋号とHPのドメインを変更していたのですが、メールに以前のままのドメインが記載されていたため、ChatGPTが、「これは詐欺の可能性があるので返信しないように」と警告してくれました。非常に驚きました。何故なら、担当者からの文面は誠実で、私は感謝こそすれ、全く疑いも抱いていませんでしたから。
<特殊詐欺発覚後の10日間:関係各所への対応と被害届提出>
そこで、WixのWebサイトから確認の問い合わせを行い、Wixの偽メールであることを確認しました。その後からの作業も大変でした。
Fiverrとクレジット会社への連絡。銀行からWise(海外送金サービス)を通じて振り込んだためWiseへの連絡、その上で、警察へ特殊詐欺の被害届を提出しました。この一連の対応を10日間余りの期間で行いました。その後で、私のHPの安全性の担保の為にWixへも連絡を行い、HP上の安全を確認してもらう対応を取りました。
幸いなことに、まだ私の顧客はWebからの取引ではありませんでした。
今回、Webサイトや屋号で『仕組みが不確かなこと』がいかに大きなトラブルを生むかを痛感しました。 振り返れば、訪問看護の現場で私が問題意識を持っていた『現任教育の仕組みの不確かさ』も、根っこは同じです。『確かで安全な仕組みづくり』の重要性を、身をもって学んだこの経験を、今後の事業に活かしていく所存です。また、もし、あなたも教育体制において、不確かな点やご不安がありましたら、今回の私の経験がお役に立てるかもしれません。どうぞお気軽にご相談ください。
【私の事業の根底にある哲学へ】
このような試練の渦中でも信念を曲げずにいられたのは、私自身の揺るぎない事業の理念があったからです。 「いきるを育む」という信念が、どのようにして形成され、この困難な起業を支えているのかについて、次回の No.24 で詳しくお話しします。この70代起業における詐欺トラブルはChatGPTという新たな相棒を得るきっかけにもなりました。
私がこの壮絶な体験から学んだ3つの教訓
【デジタル時代の鉄則】公式ルートで確認を徹底する
専門家やサービスからのメールであっても、メールアドレスやドメインが正しいか、内容に矛盾がないかを必ず吟味しましょう。リンクを踏む前に、公式Webサイトから確認を!
【起業の必須事項】屋号は「商標登録」まで検討する
事業を始める前に、屋号やサービス名が他社と被っていないか、弁理士や商工会議所に相談しましょう。法的な土台作りは、後の大きなトラブルを回避する初期投資です。
【新時代の相棒】AIを最高の仲間として活用する。ただし、その回答は「鵜呑み」にしないこと。
AIは、英文翻訳や情報整理、データの矛盾点の発見には強力な力を発揮しますが、提示された情報(特に法的なアドバイスや、今回の「詐欺の可能性」といった判断)は、必ず最終的に専門家や公式情報で裏付けを取りましょう。AIの助けを得て迅速に対応しつつも、最後はご自身の判断と責任で行動することが、デジタル時代の必須スキルです。
※犯罪やトラブルから身を守る「賢い選択」は、私たちの人生を守る上で非常に重要です。しかし、人生には避けられない、もっと大きな「生と死」の問いもあります。
私自身、長年の看護師経験の中で、心が深く傷つく体験を重ねてきました。私たちは、その傷を抱えながら、どう「いきる」という営みを育むべきでしょうか?
➡️ 次の記事では、高野山での学びから得た、私たちが前を向いて「いきるを育む」についてお話しします。





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