top of page
検索

2026年、医療の常識をアップデートする|Choosing Wisely とがん検診の過剰診断、ACP が示す働き方の未来 No39

私は事業を始めてから、Choosing Wisely Japan(CWJ)日本ACP研究会の勉強会には、ほぼ欠かさず参加させていただいています。ここ数年はZOOM開催が多くなり、浜松にいながら会場に出向く手間なく受講できるため、大変助かっています。

さて、今年2月にこの2つの勉強会が続けて開催されました。内容が密接に関連するものでしたので、自分自身の考えを整理しながら、改めてブログにまとめてみたいと思います。

Choosing Wisely(賢明な選択)とACP(人生会議)については、これまでも私のブログで何度も取り上げてきました。

Choosing Wisely JapanのHPによれば、この活動は2012年にアメリカで始まり、医療職と患者が「本当に役立つ医療」を賢明に選択できるよう、対話と意思決定の共有(Shared Decision Making)を目指すものです。日本においても、根拠に乏しい医療の見直しを推進し、患者さんにとって効果が高く害の少ない医療を実現するための啓発活動が行われています。

一方、日本ACP研究会は、厚生労働省のモデル事業を経て2016年に発足した、国内で唯一の「ACP」に特化した研究会です。

今回、私が参加したテーマは、CWJが「がん検診についての過剰診断」日本ACP研究会が「がんにおける治療と仕事の両立支援とACP」でした。ここでは勉強会の詳細な伝達ではなく、そこから得た「私の視点」をまとめたいと思います。


1. Choosing Wisely とがん検診の過剰診断から見える課題

まずCWJの勉強会で衝撃を受けたのは、「検診における過剰診断」という考え方そのものでした。正直に申し上げて、私自身これまでその視点を十分に意識できておらず、大きな驚きとともに深く考えさせられました。

「検診を受ければ早期発見・早期治療ができ、本人の負担も保険診療費も抑えられる。だから検診は受けるべきものだ」と、私は短絡的に考えていたのです。しかし、WHOの「Wilson-Jungner基準(1968年)」には、検診が成立するための厳しい10項目の基準が示されています。

その中には、「疾患の自然歴が的確に理解されていること」や「費用が医療費全体のバランスが取れていること」などが含まれます。過剰診断とは、生命予後に影響しないがんまで発見してしまい、結果として身体に負荷のかかる不必要な精密検査や治療を招き、心理的な負担を強いてしまうことを指します。

「肺がん検診でレントゲン検査をするのは、世界でも日本だけ」というお話もあり、私自身の認識の浅さを痛感するとともに、専門家として学びを止めてはいけないと強く感じました。


2. ACP と治療と仕事の両立支援が示す医療の未来

次に、日本ACP研究会での「病気を持った方への就労支援」についてです。 がん対策基本法の成立には、私の学び舎であるHSP(東京大学医療政策人材養成講座)の1期生の方々の活動も深く関わっていると聞いています。私は4期生ですが、当時の修了レポートとして、仲間と共に医療の各種法案の軸となる「医療基本法」の必要性を唱え、法整備への提案書を作成しました(未だ法案化はされていませんが、私の原点です)。

同じ4期生の中には「がん患者の就労・雇用支援に関する提言」をまとめたグループがあり、現在も実効性のある活動(シニアライフデザイン協会など)を続けておられます。現在は、がん相談支援センターの整備や「両立支援コーディネーター」の育成が進み、がんだけでなく、病気治療を続けながら就労できる体制づくりが着々と進んでいます。

がん検診の過剰診断、Choosing Wisely、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)を象徴する医療イラスト。X線画像、チェックリスト、医師と患者の対話、がん啓発のピンクリボンが含まれる。
2026年の医療を考えるテーマとして、「賢明な選択(Choosing Wisely)」と「病と共に働く(ACP)」を象徴的にまとめたイメージ図。


3. 私自身の経験から考える賢明な選択とがん検診

実は私自身、がん検診で二度、大きな指摘を受けた経験があります。

一度目はアメリカから帰国後、「子宮頸部の異型細胞」を指摘された時でした。内視鏡手術を受け、5年以上のフォローアップを続けました。一昨年、改めて受診を検討した際、検診先から「年齢的にその必要性は低いのではないか」との助言を受けました。当時はその言葉をそのまま受け入れ受診を控えましたが、今回の勉強会を経て、あの助言こそが「過剰診断」を回避し、個々の状況に合わせた「賢明な選択」を促すものだったのだと、点と線が繋がるような思いがしました。とはいえ、これは私自身の経験と受け止めであり、検診の必要性は個々の状況によって異なります。

二度目は2018年。便潜血を指摘されながらも、どこか「怖い」という思いで先延ばしにしていました。しかし、2020年の転居を機に精密検査を受けたところ、がんが発見されたのです。幸い内視鏡切除で済み、現在は1年半から2年おきのフォローアップを続けています。

それでも、少し体調を崩せば「再発」の文字が頭をよぎり、不安が完全に消えることはありません。日本人の二人に一人ががんになる時代、どれほど専門知識があっても、当事者としての不安は別物です。だからこそ、病を抱えながらも自分らしく生き、働き続けるための「伴走者」の存在や、それを支える組織の教育体制が重要なのだと身をもって感じています。

がん検診の過剰診断による不必要な検査や心理的負担を説明するイラスト。医師の判断、肺のX線、がん細胞の拡大図、悩む患者の姿が含まれる。
生命予後に影響しないがんの発見や、不必要な検査がもたらす心理的負担をテーマにしたビジュアル。

4.Choosing Wisely と ACP が示す教育体制アップデート

今回の2つの勉強会を通じて感じたのは、個人の「賢明な選択」を支えるためには、それを受け止める現場の組織や、社会全体の「教育」のアップデートが不可欠だということです。

検診のあり方を正しく理解することも、病を抱えたスタッフの就労を支える環境を作ることも、すべては「人への投資」であり、組織のエンゲージメント(貢献意欲)に直結します。私がharmonia planetとして取り組んでいる「教育体制構築支援」も、まさにこうした最新の知見を現場に届け、誰もが安心して働き、生きられる場所を作るための一助でありたいと強く願っています。

そして、大きな政治の転換点を迎えた今、制度や予算が変わるのを待つのではなく、私たち現場が自ら学びをアップデートし、『選ばれる組織』へと進化していく。そのための教育体制構築を、私はこれからも伴走者として支え続けていきたいと考えています。


追記)私は、私の事業の為に生成AIをよく使います。その目的は、例えば、ブログの校正の際に「誤字脱字、文法的間違い、文章の流れ、そして最後に倫理的面」での点検をしてもらっています。時として、AIとディスカッションも頻繁にします。それは、自身の思考の整理であったり、知見を広める目的でもありますが、もう一方で、よく言われるAIのミスに関しても指摘をすることも有ります。今回の、このブログを作成している際にも、AIの機能役割についてAI(Gemini)をしました。次回のブログは、その話の内容と今回のブログの焦点(Choosing Wisely とACP)について整理したものを載せたいと思います。


 
 
 

コメント

5つ星のうち0と評価されています。
まだ評価がありません

評価を追加
bottom of page